アルツハイマーよもやま話ー研究者・医師のブログ

認知症研究者・医師のブログです。

研究

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ゾルピデム(マイスリー)の使用による睡眠構造の変化

ゾルピデム(マイスリー)を日常的に服用している人を診察することが時々あります。 ゾルピデムはGABA-A受容体を介して作用するという点で、ベンゾジアゼピン系の薬と類似しています。ただし、ゾルピデムはGABA-A受容体のω1サブユニットに特異的に作用して、…

いわゆる一流雑誌のインパクトファクター急落とその原因について

私は、数年前に研究の第一線からは退いたのですが、その後も英文の総説を書いたりはしてきました。 最近、研究関係で感じるのは、私の現役の頃に一流とされていた雑誌のインパクトファクター(IF)がどんどん低下していて、凋落が激しいことです。 たとえば…

運動で増える生理的因子イリシンにはアミロイドβの分解促進作用がある

運動が、認知症の予防に重要なことはよく知られているのですが、そのメカニズムはまだ十分解明されていません。最近、運動によって生体内で増える因子イリシンが、アミロイドβを減らす作用を持つということが報告されていたのですが、イリシンの作用機構は不…

査読偽装の問題についての感想

福井大学の女性教授(T教授)が、自分の論文の査読について、知り合いの査読者と結託して有利な査読コメントを作成し、それを査読者に提供して、論文の査読・審査を操作していたということが明るみに出て、新聞に報道されていた。昨年の6月ころにこの問題を…

アミロイドβオリゴマー神経毒性低減効果を持つ小分子に関する英文総説

この1月はじめに、Antioxidantsというジャーナルに、私の執筆した総説が掲載されました。タイトルは、Protection against Amyloid-β Oligomer Neurotoxicity by Small Molecules with Antioxidative Properties: Potential for the Prevention of Alzheimer…

アメリカの地域差 

私はアメリカ東海岸のボストンで2年半暮らした。ボストンはハーバード大学があって、学園都市でもあり、白人が多い町だ。東海岸の中でも品のよい街ではなかろうか。治安もとてもよいので、一人暮らしも安心であった。ただ地下鉄のオレンジライン沿いは危険…

論文作成と英語

研究がまとまったら論文を英語で書いて、国際学術誌に掲載されるところがゴールになる。しかし、しっかりした英語の論文を書くのはかなり至難の業である。私の場合は、英語については留学である程度修行を積んだから要領はつかめている。そうはいっても論文…

留学体験 その4

米国留学中の難題といえば、英語と食事である。英会話の方は、大学のESSと、その後大学院時代の個人レッスンなどでトレーニングをしていたので、それほど不安はなかった。だが、渡米直後は、自分の言うことが今一つ通じていないという感じがしていた。し…

留学体験 その3

留学中、MITの研究室では、学部の大学生(3年生)を受け入れて、本格的な研究の補助をしてもらっていた。私もしばらくしてウェルズリーカレッジから通ってきていた女子学生を指導することになった。彼女はフロリダ出身のブロンド髪の長身で、明るい子であっ…

留学体験 その2

私がボストンに留学したころは、アルツハイマー病の研究は世界的にみても、やっと家族性の病気の遺伝子がわかりはじめた時期で、研究者の間にはなんとなく熱気が感じられた。私の研究室のボスはあまり流行には乗らずに自分のやりたいことをやるというタイプ…

留学体験ーその1

私は、日本で3年間ポスドクとして研究をしてから、アメリカ東海岸のMITに留学した。この時36才で、やる気もあったので、独り身もあまり気にならなかった。4月の半ばくらいにボストンについて、前もってきめてあったアパートに入居したのだが、ベッドフレー…

憧れと現実のはざまでーインパクトファクターの弊害

研究には理想と現実のギャップがつきものだ。なんとか質の高い研究をしたいと思ってもできることには限界があることが多い。このようなギャップに悩みながら、研究を続けてきたというのが本音だ。たとえばインパクトファクター(IF)ということが研究の世界…

研究の一歩を踏み出した大学院時代

自分が研究をはじめたきっかけは大学院だった。当時は今のような研修制度というものはなかったから、大学院に卒後3年くらいで入る人が多かった。私も3年間の病院での臨床研修の後で母校の大学院に入った。その時K教授は退官してしまっていたので、一抹の寂…