アルツハイマーよもやま話ー研究者・医師のブログ

認知症研究者・医師のブログです。

その他

運動で増える生理的因子イリシンにはアミロイドβの分解促進作用がある

運動が、認知症の予防に重要なことはよく知られているのですが、そのメカニズムはまだ十分解明されていません。最近、運動によって生体内で増える因子イリシンが、アミロイドβを減らす作用を持つということが報告されていたのですが、イリシンの作用機構は不…

習字は軽度認知障害に対して良い効果をもたらす

軽度認知障害(MCI)の高齢者に対して、習字が有効かもしれないということが言われているのですが、そのことを実際に調べる研究が台湾で行われて、論文として報告されています。 それによると、MCIと診断された30人を対象として、週2回 1回1時間 漢字の習字…

スーパーフードとして知られるビーツについて

ビーツは日本でも最近人気がでてきている野菜です。スーパーフードと呼ばれることもあるそうで、とても魅力的な食材で、私も注目しています。 ではビーツにはどんな栄養素が含まれているのでしょうか。 まず食物線維とミネラル(カリウムなど)が豊富です。…

きのこに含まれる活性物質エルゴチオネイン

きのこに含まれる活性物質として、最近注目されているのがエルゴチオネインです。この物質は、ペプチドの一種で分子量は229という小分子です。エルゴチオネインは強い抗酸化作用があり、いろいろな病気との関連性が示唆されているようです。 エルゴチオネイ…

コーヒーと記憶の関係

コーヒーを多く飲むことに認知症予防効果があるらしいということがいわれています。そのことについて、先日記事を書きました。コーヒーを飲む量が多い人は脳にβアミロイドが溜まりにくい - アルツハイマーよもやま話ー研究者・医師のブログ (hatenablog.com)…

新型コロナ雑感

7月に入って新型コロナの感染者数が1週間で倍増するという傾向が続いている。一種の感染爆発的な増え方である。 原因としては、BA5変異株に置き換わったことで、ワクチンの免疫効果が乏しくなったこと、夏のレジャーなどで人の動きが多くなったことがあ…

停滞するワクチン接種:無策な国と自治体

新型コロナの第4波がきて今まで以上に医療が危機に瀕しているのに、ワクチン接種は全然進んでいない。東京では、ワクチン接種の予約のためのオンラインシステムはまともに運用できていないし、小規模医療機関の医療従事者は予約さえとれないという、ひどい…

欧米の二の舞にならないために

新型コロナの感染者が12月から急増して、特に首都圏が危険な状況になってきている。このままでは、欧米の二の舞になってしまうのではないか、そうなると緊急事態宣言再発動という事態も考えられる。春の時点で死者数が少なかったドイツでも死者数が驚くほど…

新型コロナの高波が迫っている状況を打開できるのか 

ついに東京で、新型コロナ感染者数が300人の大台に乗ってしまった。予想はしていたが、いざそうなってみると、大ごとだと実感する。全国的にも、大都市で急増しているので、東京だけの問題ではなくなったといえる。 私は、先日のニュースで、東大名誉教授…

責任感が感じられない東京都の姿勢

東京都の新型コロナ感染者数が急増してきている。感染経路不明者が増えているのに、夜の街関連のことを強調してばかりいて、全体像を見ない姿勢をとってきていた。ここにきてあたふたしても遅いのではなかろうか。 感染源を放置するような態度をとってきたつ…

東京のコロナ感染源の抑止には自治体の姿勢が重要ではないか

東京の新型コロナ感染者がかなり出ていることが問題になっている。多くは20代、30代の人が占めていて、感染経路不明の割合は50%程度ということだ。関西圏では、収まっているのに、東京だけがそういう状況なのはどうしてなのか。東京の特殊性というこ…

新型コロナの第3波を防ぐことは可能であろうか?

東京も含めて、全国的に感染者数は減少してきている。自粛の効果が現れてきているといえて、明るい材料だと思う。しかし、病院の院内感染はかなり起きており、高齢者施設や介護施設などでも施設内感染の問題が発生している。このような問題は、完全に防ぐの…

接触を減らすための工夫が必要では?

日本の感染者数が1万人を超えたということだ。連日、TVでは、様々な報道がなされている。だが、接触を大幅に削減するという目標は達成できていないようだ。 台湾の研究者が予想しているような、感染者が激増することになるかもしれない。 https://wedge.ism…

日本の規制の緩さに感じる危うさ 

このところ、新型コロナ問題について発信をしてきて、少しは社会の役になったのかもしれない。東京都では、区市別の感染者数が公表されるようになったのは評価される。 朝日新聞には、『「感染者1万人」豪州はどう回避? 日本が学べることは』というタイトル…

新型コロナ抑え込みに関するオーストラリアの対策

日本の国としての緊急事態宣言がやっと出された。あとは、どれだけ具体的な措置がとれるかというところが問題だと思う。 海外諸外国の中で、新型コロナ感染の抑え込みが比較的うまくいっている国を参考にしてみてはどうだろうか。私は、オーストラリアに注目…

医療危機を回避するために早い決断を

今日は全国で新型コロナ感染者が300人を超えたということだ。このままでは、欧米の二の舞になってしまうのではないかと、危惧される。東京都知事の方が、安倍総理より危機感をもっていると思う。今、危機意識を持たないと東京を含めて日本は大変なことに…

東京都は新型コロナ感染者の情報公開をすべきでは?   

東京都では、新型コロナ感染者が特定されても、個人情報保護などの理由で、具体的な情報が公表されていない。公表されるのは、年齢層と性別だけだ。 このやり方は、人々の警戒感、緊張感をゆるめているのではないだろうか? 東京では「夜の街クラスター」が…

新型コロナ感染の事態悪化は避けられる?

東京都知事が3週間程度のイベント自粛などを呼びかけた。今後の感染拡大が危惧されているからだ。専門家である北大の西浦博先生は、保健医療関係者に対して、イベント自粛とハイリスク空間を避けるよう一般の人々に呼びかけてほしいと訴えている。 https://h…

欧米の新型コロナ拡大は他人事ではないのでは?

イタリアをはじめとする欧州各国では、新型コロナウイルス感染が猛威をふるっている。特に、イタリアの状況は過酷なようで、死者数は中国を上回ったということだ。米国でも同様に深刻な状況にあるようだ。市中感染が見えないところで広がると、手が付けられ…

新型コロナウイルスの防衛策

デイサービスやデイケア施設における新型コロナウイルス感染が問題になっており、身近で切実な問題だ。その防衛策について考えてみた。

新しいブログについて

このブログとは別に、「認知症予防の知っトク話」というブログを書きはじめました。https://yobounoizumi.hatenadiary.com/ こちらには、一般の方にむけて、認知症予防の大切さやそれにまつわるいろいろな情報を少しずつ書いていきます。一般の本には書かれ…

瞑想と認知機能

最近、私はある動機から、お寺の座禅会に参加してみた。1回30分程度座り、少し堂内を歩き、また座ることを3回した。静かに座っていることだけでもたいへんであるということがわかった。私の場合はいろいろなことが頭に浮かぶにまかせていた。しかし、瞑想…

ブログタイトルの変更

このたびタイトルを「研究小僧の思い」から 「アルツハイマーよもやま話」に変更することにしました。 より多くの人に読んでもらえると嬉しいです。

ブログ開設にあたり

私はこれまで認知症の研究を長い年月行ってきました。最後の20年くらいは小さな研究室で少人数の研究員、大学院生、研究助手らといっしょに、研究を続けてきましたが、その研究も一段落し、その研究室には別れをつげることになりました。これからは少し自…