アルツハイマーよもやま話ー研究者・医師のブログ

認知症研究者・医師のブログです。

欧米の新型コロナ拡大は他人事ではないのでは?

イタリアをはじめとする欧州各国では、新型コロナウイルス感染が猛威をふるっている。特に、イタリアの状況は過酷なようで、死者数は中国を上回ったということだ。米国でも同様に深刻な状況にあるようだ。市中感染が見えないところで広がると、手が付けられない状況になってしまうようだ。今、パリの中心地では、外出制限のためほとんど人の姿がみられなくなっているという。https://www.afpbb.com/articles/-/3274235

このウイルスの性質として、無症状あるいは軽微な症状の人からも感染しうるということが、厄介なところなのだと思う。潜伏期が比較的長いということも、感染の機会が増えることに寄与している。それから、ウイルスの細胞への結合性が高いということもあるらしい。

日本では、マスクをする習慣があることや、握手とかハグなどの身体接触が少ないことが感染予防に役立っているのかもしれない。だが、日本でも油断していると、これから感染者数が急増して、医療現場が困窮するということが起こりかねないと思う。特に、海外からの帰国者に感染者が多く出ていて、そこから飛び火する恐れもある。

では、一体どうしたらよいのだろうか?やはり、少しでも体調に不安がある人は自宅で待機すること、感染陽性者に濃厚接触した人は健康観察を徹底すること、職場などでの感染が起きないように衛生面とか換気などをきっちりすることなどの、日ごろの心がけが大事なのではなかろうか。一つ気になることは、自治体の感染確認者の報告が適当なことだ。特に、東京は超いい加減である。実際には、感染陽性者の周囲の人には情報が送られているのかもしれないのだが、詳しい情報提供が、この厄介なウイルスの感染予防には必要なのではなかろうか。