アルツハイマーよもやま話ー研究者・医師のブログ

認知症研究者・医師のブログです。

アデュカヌマブの撤退について思うこと

2月1日に、バイオジェン社がアルツハイマー病の新薬アデュカヌマブの研究と販売を取りやめたということが日本でも報道されました。それで、第4相の臨床試験も途中で中止されることになり、今後アデュカヌマブが臨床で使われることはなくなったといえそうです。

バイオジェン社は、撤退の理由として、資金の調達ができなかったことが最大の要因としています。今後は、レカネマブの販売と、タウを標的にした新薬の開発の方に、リソースを集中させる予定ということです。

それにしても、第4相の臨床試験の実施をはじめる前に、もっと早く見切りをつけることはできなかったのか、その辺りは理解に苦しむ気がします。

アルツハイマー病の新薬競争からアデュカヌマブが脱落して、今後は、しばらくレカネマブとドナネマブの2強の争いとなりそうです。

 

参考記事:米バイオジェン アデュカヌマブの開発・販売を中止 レケンビや新規AD薬候補にリソース再配分 | ニュース | ミクスOnline (mixonline.jp)