アルツハイマーよもやま話ー研究者・医師のブログ

認知症研究者・医師のブログです。

ドネペジルの効果の個人差  

認知症の診療をしていて、アルツハイマー型と思われる人に、ドネペジル(アリセプト)を処方することは多い。しかし効果が感じられる人と全く感じられない人がいるというのが、実際ではなかろうか。効果がないということと維持できているということの見極めもむつかしいところかもしれないのだが、あまり効いていないのにその処方をつづけることは私は避けたいと思っている。そういう場合は、同系統のクスリであるガランタミンか、リバスチグミンに変更するのであるが、そうすると効果が感じられることはかなりある。そういう場合は、ドネペジルより他のクスリがその人には合っていたということになるわけだ。では一体ドネペジルが効かない人、効く人がいるのはどうしてなのか、という疑問がでてくる。この理由としては、ドネペジルの脳内への移行、活性に個人差があるからであるようだ。そうだとするとやはり、ドネペジルが効かない人に漫然と使いつづけないで、別のクスリを使ってみる方が、よいのだろうということだと思う。