アルツハイマーよもやま話ー研究者・医師のブログ

認知症研究者・医師のブログです。

認知症

ドネペジルの効果の個人差  

認知症の診療をしていて、アルツハイマー型と思われる人に、ドネペジル(アリセプト)を処方することは多い。しかし効果が感じられる人と全く感じられない人がいるというのが、実際ではなかろうか。効果がないということと維持できているということの見極め…

アデュカヌマブについての感想

10月のおわりごろのニュースで、来年米国FDAにアデュカヌマブの認可申請がなされるとのことが伝えられ、エーザイとバイオジェンの株価が跳ね上がったそうだ。一度治験が中止になったのに、一体どういうことなのか、と疑問に思う人は多いし、私もその一人…

テレビで放映される認知症予防法の問題

最近、認知症予防に効果ありというようなものがテレビで放映されることがかなりある。しかし、その根拠というのは、マウスの実験だったり、細胞レベルの実験だったりということがほとんどである。マウスで効果があるということが、ヒトのアルツハイマーとか…

非現実的なアルツハイマー病の点滴薬

アルツハイマー病の抗体医薬としてアデュカヌマブなどが開発されて治験がなされた。まだBAN2401など治験が行われているものがあるということだ。これらのアミロイドβを標的としたもの以外にもタウの抗体医薬も開発されている。しかし、アルツハイマーのよう…

推薦できる認知症専門クリニック

東京圏内の認知症クリニックでおすすめできるところといえば、やはりこちらだろう。「医療法人社団創知会」 院長の朝田医師は、以前筑波大学の教授をされていた方で、認知症の臨床のスペシャリストといえる。このクリニックにはデイケア施設も併設されていて…

βセクレターゼ阻害薬の行方

アルツハイマー病の根本治療薬の候補として期待されていたβセクレターゼ阻害薬の治験が中止されたというニュースは衝撃的だった。なぜなら、今回中止になったエレンベセスタットというエーザイとバイオジェンが共同開発した薬は、治験の最終段階まで進んだ数…

運動と認知症予防

WHOの認知症予防ガイドラインが今年発表された。その中でだれもがもっともてっとり早くできるのは、エクササイズ(特に有酸素運動)だという気がする。運動にもいろいろあるが、やはりジョギングか早歩きがやりやすいだろう。私も時々ジョギングするようにし…

認知症の診療と研究の接点

日々の臨床あるいは診療の仕事の上で、研究との接点というものを持つ機会はあるものだと思う。新しい病気などの臨床上の発見が、鋭い臨床医の観察力からはじまることが多いということはよく知られている。私は今はクリニックで診療しているから、あまり臨床…

認知症薬の治験中止のニュースを聞いて

何ヶ月か前に、アルツハイマー型認知症の治療薬として開発されて効果があるのではと思われていた注射薬アデュカヌマブの治験が中止になったというニュースが話題になった。日本を含め欧米豪アジアで大規模な治験が行われていたというが、結局効果がないとい…