アルツハイマーよもやま話ー研究者・医師のブログ

認知症研究者・医師のブログです。

新型コロナの高波が迫っている状況を打開できるのか 

ついに東京で、新型コロナ感染者数が300人の大台に乗ってしまった。予想はしていたが、いざそうなってみると、大ごとだと実感する。全国的にも、大都市で急増しているので、東京だけの問題ではなくなったといえる。

私は、先日のニュースで、東大名誉教授の児玉龍彦氏が語っていたことが、印象に残っている。このまま対策をとらなければ、たいへんなことになる、目を覆うようなことになるという話であった。

確かに、ここまで経路不明者が増えてしまうと、感染者の増加をくい止めるめことは容易ではないだろう。

私は、現状に至った原因として二つのことがあると思う。一つは、5月末に緊急事態宣言を解除してからの、緩和のスピードが速すぎたということ。

もう一つは、クラスター解析がきっちり機能していなかったということだ。(特に夜の街関係のところで。)

この二つの失敗が重なったことで、現在の感染拡大が起こってしまったのではないだろうか。

このペースで拡大していった場合、医療体制は持ちこたえられるのだろうか?心配である。

このまま手をこまねいていては、児玉氏の予言するように大変なことになるかもしれない。どうやって打開していくのか、やはり、国や自治体がリーダーシップをとって効果のある対策をとるしかないのであろう。

確かに重症者を増やさないということは大事なのだろうが、やはり感染者数全体を抑えなければ、重症者もふえていくことになる。全体数を抑えるためには、人の移動を抑えるしかない。というわけで、人の移動を抑えつつ、経済を回すにはどうしたらよいか、知恵をしぼるしかないのであろう。

GO TOキャンペーンなどは、感染拡大を助長するものであり、無謀な政策としかいえないのではないか。現在の政権には、感染拡大を止める対策をただちに打とうという心づもりはないようであり、各自治体が団結して対策をとるしかないのかもしれない。

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