アルツハイマーよもやま話ー研究者・医師のブログ

認知症研究者・医師のブログです。

東京のコロナ感染源の抑止には自治体の姿勢が重要ではないか

東京の新型コロナ感染者がかなり出ていることが問題になっている。多くは20代、30代の人が占めていて、感染経路不明の割合は50%程度ということだ。関西圏では、収まっているのに、東京だけがそういう状況なのはどうしてなのか。東京の特殊性ということが反映されているということであろうか?

たとえば歌舞伎町のような大規模な歓楽街があるということがある。そういうところで発生した事例は濃厚接触者を特定できず、クラスター追跡が困難なので、感染が広がりやすくなる。

外国人の流入が多いということもあるが、今はあまり影響していないのかもしれない。どうすれば感染者を減らすことができるのか。たとえば感染者が出た店の営業を一時的に停止するとかそういうことができるのか?しかし、プライバシーの問題からそのような店の特定も困難な場合はどうするのか?

結局、特殊なケースに関しては、対策が難しいということのようである。だが、東京都が個人プライバシー重視の姿勢を変えない限り、このような問題は解決しないのかもしれない。大阪の方が、事実を公開する姿勢をはっきりとっているという気がする。自治体が、そのような強い姿勢を見せるということが抑止力につながるのではないだろうか?

新型コロナの第3波を防ぐことは可能であろうか?

東京も含めて、全国的に感染者数は減少してきている。自粛の効果が現れてきているといえて、明るい材料だと思う。しかし、病院の院内感染はかなり起きており、高齢者施設や介護施設などでも施設内感染の問題が発生している。このような問題は、完全に防ぐのが困難なようだ。

これから、自粛が解除された後、第3波が来ることを防げるだろうか?

私は3つのことが大事だと感じる。一つ目は、社会的距離、物理的距離をとることを個人個人が守ることだろう。物理的距離をとれないような場所、たとえばナイトクラブなど、には行かないで、自己防衛するということが必要だろう。

二つ目は高感度で、簡便なウイルス検査を確立することだ。現在のPCR検査は偽陰性、すなわち本当は陽性なのに、陰性となってしまう率がかなり高いという話だ。偽陰性の割合を少なくしないと検査の意味がなくなり、本当は陽性の感染者が野放しになってしまう。

三つ目は、早期治療の確立ということだと思う。インフルエンザでもそうだが、検査で陽性になったら、軽症のうちに治療ができるようなシステムを作ることが重要ではないだろうか。アビガンは催奇形性という問題があるということだが、今日のテレビ番組で、ゲスト出演していた現場の医師は、ホテル療養者にもアビガンを投与できるようにすべきだと言っていたので、そのような方向性も考慮するべきなのではないだろうか。

第3の波をできるだけ小さなものに抑えられるかどうかが、日本の国としての回復のカギになるのではなかろうか。

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接触を減らすための工夫が必要では?

日本の感染者数が1万人を超えたということだ。連日、TVでは、様々な報道がなされている。だが、接触を大幅に削減するという目標は達成できていないようだ。

台湾の研究者が予想しているような、感染者が激増することになるかもしれない。

https://wedge.ismedia.jp/articles/-/19371

一体どうすればよいのだろうか?

今の問題は、電車など交通機関の中での接触と、飲食店内の接触、スーパーや食料品店などでの接触、職場内での接触なのだろう。

これらを減らすためにどうすべきなのか。よく考えてみると、職場に行かずに自宅ですませられればよいのだが、それが難しい場合が多いということが関門になっているのだ。確かに、会社を休みにしている企業もあり、テレワークも普及しているようだが、十分とはいえない。

この問題を解決するための一つの方策として、休業要請している事業者に補助金を出すように、無理をしてでも出社社員を減らす努力をしている会社にも補助金を出すとか税金を軽減するくらいのことを政府が考えればよいのではないだろうか?

ただ、お願いをする、企業の意思に任せるだけでは、あまりにも芸がなくて、効果も薄いのである。やはり、動機づけのために何等かの対価が必要なのだと思う。

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日本の規制の緩さに感じる危うさ 

このところ、新型コロナ問題について発信をしてきて、少しは社会の役になったのかもしれない。東京都では、区市別の感染者数が公表されるようになったのは評価される。

朝日新聞には、『「感染者1万人」豪州はどう回避? 日本が学べることは』というタイトルの記事が載っていた。https://digital.asahi.com/articles/ASN4F30T5N4BUHBI00Q.html?pn=6

オーストラリアで、感染が拡大していないのは、その規制の中身が理に適っていることと、タイミングが速やかだったからだろう。さすが朝日新聞は、眼のつけどころがよいと思う。

ところで、私が飲食店を問題視するのは、飲食時に店内ではマスクをはずさざるをえず、無防備になってしまうからだ。換気がよくないと、エアロゾル化したウイルスを吸い込む危険性があると思う。

現状の日本の緩い規制は相当な危うさを抱えている。このままで抑え込みに失敗したら、という心配は払拭できない。

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新型コロナ抑え込みに関するオーストラリアの対策

 日本の国としての緊急事態宣言がやっと出された。あとは、どれだけ具体的な措置がとれるかというところが問題だと思う。

海外諸外国の中で、新型コロナ感染の抑え込みが比較的うまくいっている国を参考にしてみてはどうだろうか。私は、オーストラリアに注目している。陸続きの隣国がないところは日本と似ているし、社会活動をできるだけ維持しようとしているところも同じである。オーストラリアでは、死亡率が1%を下回っているのは特筆すべきだ。そして、4月以降感染者数の推移もなだらかになってきている。

【毎日更新】新型コロナウイルス国別発生状況まとめ|世界感染者数の推移グラフも | Comical Piece

オーストラリアの対策をみてみると、

https://www.au.emb-japan.go.jp/files/100023087.pdf

必要不可欠でない集まり として制限されているもののなかに、「レストラン及びカフェは,テイクアウト又は宅配に限定 」というのがある。危機的状況では、このくらい厳密にやる必要があるのではないだろうか。

食料品店 薬局 医療施設など 必要不可欠な集まり は許可されるのだが、人と人の距離を1.5m以上とることを求められている。

日本でも軽症者を病院外の施設に移すことをやっとはじめたが、他国のよいところをできるだけ取り入れるようにしてはどうだろうか?

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