アルツハイマーよもやま話ー研究者・医師のブログ

認知症研究者・医師のブログです。

医療危機を回避するために早い決断を

今日は全国で新型コロナ感染者が300人を超えたということだ。このままでは、欧米の二の舞になってしまうのではないかと、危惧される。東京都知事の方が、安倍総理より危機感をもっていると思う。今、危機意識を持たないと東京を含めて日本は大変なことになるのではないだろうか。経済より人の命を優先しなければいけないということをもっと考えてほしいと思う。

北大の西浦先生は人々の接触を大幅に減らさないと、感染爆発を防げないといっている。外出自粛でも人々の接触はかなり減るだろうが、飲食店などでの店内飲食を禁止して、テイクアウトだけにするくらいの措置が必要なのだろう。

日本の外出自粛は強制力を伴わないということだが、手遅れになる前に、とにかく早く危機を回避するための措置に踏み切ってほしい。

 

 

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東京都は新型コロナ感染者の情報公開をすべきでは?   

東京都では、新型コロナ感染者が特定されても、個人情報保護などの理由で、具体的な情報が公表されていない。公表されるのは、年齢層と性別だけだ。

このやり方は、人々の警戒感、緊張感をゆるめているのではないだろうか?

東京では「夜の街クラスター」が発生している可能性があるということだ。

https://yodokikaku.net/?p=33583

 

大阪や他の自治体は具体的な情報を公表しているのに、東京はできないという理由はないのではないだろうか? 他の自治体の例を見習って、現状を早急に改善すべきだと思う。

上記のサイトでは次のような記述があり、全く同感である。

 

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 複数の利用者が訪れた「夜の店」を公表しなければ、こうした店舗を訪れた客へ検査を促すのも難しいでしょう。

大阪ではライブハウス名を公表し、知事や市長等が何度も繰り返し「検査を受けて下さい」と訴えました。結果、新たな感染者数は抑制されています。

具体的な店舗名や地域名が公表されなければ、コロナウイルスへの感染が身近にある危機だと感じるのは容易ではないでしょう。

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新型コロナ感染の事態悪化は避けられる?


東京都知事が3週間程度のイベント自粛などを呼びかけた。今後の感染拡大が危惧されているからだ。専門家である北大の西浦博先生は、保健医療関係者に対して、イベント自粛とハイリスク空間を避けるよう一般の人々に呼びかけてほしいと訴えている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200324-00010000-mthree-soci&p=1

このメッセージを読むと、現在の状況の厳しさがよくわかる。だが、大都市東京で、海外からの帰国者を含めて不特定の人達が、ウイルスを知らないうちに広げているとしたら、もう手遅れかもしれない。

私も医療者なので、今後の事態の悪化が心配だ。この西浦先生の声ができるだけ多くの人に伝わるとよいのだが。

前回にも書いたのだが、感染を広めない努力をすることは、とても大事だと思う。この前、テレビに解説のために出ていた医師が、ただ「気を引き締めない

といけない」などと言っていたが、そういうあいまいな表現をしてもしょうがないと思う。「微熱とか咳などがあったら、とにかく自宅で休むように」というような具体的なことを言ってもらいたいのだが。

それから、今よりも詳しい感染者に関する情報開示が必要だと思う。開示するのとしないのでは、人々の警戒感が違ってくるのではあるまいか。

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六義園の桜

欧米の新型コロナ拡大は他人事ではないのでは?

イタリアをはじめとする欧州各国では、新型コロナウイルス感染が猛威をふるっている。特に、イタリアの状況は過酷なようで、死者数は中国を上回ったということだ。米国でも同様に深刻な状況にあるようだ。市中感染が見えないところで広がると、手が付けられない状況になってしまうようだ。今、パリの中心地では、外出制限のためほとんど人の姿がみられなくなっているという。https://www.afpbb.com/articles/-/3274235

このウイルスの性質として、無症状あるいは軽微な症状の人からも感染しうるということが、厄介なところなのだと思う。潜伏期が比較的長いということも、感染の機会が増えることに寄与している。それから、ウイルスの細胞への結合性が高いということもあるらしい。

日本では、マスクをする習慣があることや、握手とかハグなどの身体接触が少ないことが感染予防に役立っているのかもしれない。だが、日本でも油断していると、これから感染者数が急増して、医療現場が困窮するということが起こりかねないと思う。特に、海外からの帰国者に感染者が多く出ていて、そこから飛び火する恐れもある。

では、一体どうしたらよいのだろうか?やはり、少しでも体調に不安がある人は自宅で待機すること、感染陽性者に濃厚接触した人は健康観察を徹底すること、職場などでの感染が起きないように衛生面とか換気などをきっちりすることなどの、日ごろの心がけが大事なのではなかろうか。一つ気になることは、自治体の感染確認者の報告が適当なことだ。特に、東京は超いい加減である。実際には、感染陽性者の周囲の人には情報が送られているのかもしれないのだが、詳しい情報提供が、この厄介なウイルスの感染予防には必要なのではなかろうか。

新型コロナウイルスの防衛策

新型コロナウイルスの市中感染が広がりを見せてきている。高齢者が感染すると死亡率が高いということで、認知症の患者さんは要注意だ。

愛知や兵庫では、介護施設で複数の感染者が出ているという。アメリカでももっとひどい事例があったようだ。この問題は、私にとっても身近で切実な問題だ。

デイサービスとかデイケア施設は神経を使っていろいろな対策を実行している。だが、新型コロナは、無症状あるいは症状の軽い人からも感染が起こりうるというところが問題である。どうしたら、このような施設で感染を未然に防げるのだろうか?現状では、どれだけ厳密に対策をしても完全はあり得ないといえるだろう。

今できることは、スタッフ全員の体温測定、不調のスタッフは厳格に自宅待機にする、来訪者は付き添いを含めて体温測定、不調の人はすぐに帰宅してもらう、ということを徹底することだろう。スタッフが時差通勤できるように、一定時間の範囲で、遅刻、早退を認めるということも有効だと思う。それから、当然のことだが、施設内の換気を頻繁にすることも重要だ。

今はそれぞれの施設ができるだけの対策を講じることにより上記のような事例が増えないことを祈るばかりである。