アルツハイマーよもやま話ー研究者・医師のブログ

認知症研究者・医師のブログです。

K先生との出会い

私は大学医学部の最終学年の時に、そろそろ進路を決めねばならないと考えて、二つの進路から選ぼうと思った。一つは脳神経内科で、もう一つは内科である。当時内科には第1,2,3と呼吸器があったと思う。いろいろ考えた末神経内科を選んだ。自分は比較的狭い分野を集中してやることが向いていると感じていたのと、講義や夏休みの病院見学で興味を持てたことが主な理由だった。当時の教授はK先生という有名な先生だった。入局の希望を伝えるために教授室を訪ねたら、快く受け入れてくださったのを覚えている。古い建物の一角であったが、とても気の引き締まる空気が漂っていた。K先生は人格者であったが、先生のいるところにはピーンと張りつめたような不思議な雰囲気をたたえていたことが印象に残っている。そのような経緯で、私はK先生の教室に入局することになったのだった。